数年前からニュース等で紹介されてきたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が、ここにきて収束の局面を迎えようとしています。
2018年1月23日にアメリカのトランプ大統領がTPP協定から離脱する大統領令に署名してからどうなってしまうのかと騒がれていましたが、ここにきて一段落する形となります。
今回は、TPPの発効はいつからなのか。
また、今後の私たちの生活や暮らしへの影響を中心に紹介していきたいと思います。
目次
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TPP発効はいつから?
気になるTPP発効はいつからなのか?という疑問にお答えします。
調べてみる限り、2019年中の見方が多いです。
気になるのはTPP離脱を表明したアメリカの動きですが、まずはアメリカを除く11カ国での発効を優先させるようですね。
TPP発効後の関税撤廃の品目とその具体的な時期は?
次にTPP発効後に起こる関税撤廃が気になるところですね。
その品目と具体的な時期について調べてみました。
なお、関税撤廃の品目は多岐にわたるため、その一部をご紹介します。
【関税撤廃 重要5品目】
・米
・麦
・牛肉や豚肉
・乳製品
・砂糖
【関税撤廃 重要5品目以外】
・肉類
・水産物
・野菜
・果物
・皮革
関税撤廃の時期に関しては、まだ具体的な日程は決まっておりませんが、2019年からの発行を目指しているのが現状です。
関税は徐々にではありますが最終的には極限まで撤廃する予定です。
また、TPP発効後に対象品目すべてが完全に関税撤廃されるわけではありません。
下記に、関税撤廃の代表例とその仕組みについていくつか紹介します。
・牛肉
現在約38%の関税がかけられている。
TPP発効1年目に27%まで関税を削減し、10年後までには20%、最終的には9%まで減らす予定です。
・乳製品
TPP発効後、現在行っている輸入の枠組みは残しておき、さらに追加の輸入枠として6万トンを用意し、TPP発効後6年目以降は7万トンに広げる予定です。
・野菜
野菜全般に関しては、TPP発効後に関税完全撤廃の対象になってます。
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TPP発効後の生活や暮らしへの影響とは?
ではあと約1年後の予想であるTPP発効後に、私たちの生活や暮らしへどのような影響が起こるのでしょうか。
『良い影響』と『悪い影響』に分けていくつか説明します。
【良い影響】
・関税撤廃によって、貿易自由化が促進されることにより日本製品の輸出額が大幅に増大する。(国内の景気が良くなる)
・優れた日本製工業製品を輸出しやすい状態になるので、結果として国内雇用や増えて失業率を改善できる。
・マレーシアやベトナムなど、なかなか解放的でなかった建設市場に参入可能になる。
【悪い影響】
・関税撤廃により、安価な海外製品が流入するためデフレを引き起こす可能性がある。
・食品添加物、遺伝子組み換え食品などの規制緩和により、食の安全が脅かされかねない。
・医療の自由化、混合診療解禁によって、国保制度圧迫や医療格差が広がる恐れがある。
そもそもTPPとは何か?
TPP発効はいつから?という疑問が解消したので、基本に立ち返ってそもそもTPPとは何かということをおさらいします。
TPPの正式名称は『Trans-Pacific Partnership』、日本語訳で『環太平洋戦略的経済連携協定』や『環太平洋パートナーシップ協定』という名で紹介されている協定です。
日本・米国を中心とした経済連携協定で、太平洋を取り巻く各国グループを結成して、自由でかつ開かれた貿易を実現するための協定です。
TPPの大きな目的は、関税撤廃をすることです。
2013年2月23日に、安倍首相は「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」とし、事実上のTPP参加を表明しました。
同年3月15日にはTPP交渉へ参加を正式に表明したため、このころからTPP交渉に対して国民の関心が高まりました。
TPP交渉が難航した原因とは?
TPP交渉は2015年10月に、日本・アメリカを含む交渉参加12か国(日本、アメリカ、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム)
が大筋合意に達していました。
2013年7月からの交渉参加からおよそ2年3ヶ月という長期間交渉に時間を費やして、ようやく大筋合意にたどり着いたときに、アメリカが離脱を表明したために、交渉は半ばふりだしに戻る形となってしまいました。
また、当初の時点で12か国が各国の利益と照らし合わせて交渉するわけですから、そもそもなかなか合意にたどりつかせることすら難しい交渉だったと言えます。
TPP発効時期・発効後の関税撤廃の品目や時期のまとめ
TPP発効はいつから?という疑問や発効後の関税撤廃の品目や時期について、
また、生活や暮らしへの影響、TPP発効によるメリットデメリットなどについて説明しましたが、ご理解いただけたでしょうか?
やはり、11か国が交渉するような大きな協定ですので、人によってはメリットもデメリットもそれなりかなという印象がもてそうです。
ただし一番重要なことは何かと言えば、国の発展には経済が強くなることが欠かせないということ。
日本製品の輸出額増や国内雇用が増えることは、大いにメリットがあると感じられるでしょう。
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