昔は伸びる日用品はゴムと相場が決まっていましたが、
最近は調べてみると、ほとんどがプラスチック、つまり合成樹脂なんです。
使うぶんには、どちらでも変わりませんが、一体、ゴムと樹脂の違いってどんなものなんでしょうかね。
目次
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ゴムと樹脂の違いとは?
ゴムと樹脂の違いが何かと言うと、天然ゴム(樹脂でできたゴム)は樹脂の一種です。
ゴムは少しの力で伸びて、力を抜くと瞬間的に元に戻る高分子物質素材で、
天然ゴムと合成ゴムがあり、樹脂はゴムの木の樹液を原料としたもので、こちらも天然樹脂と合成樹脂があります。
このうち合成樹脂でできたゴムはもちろん樹脂とは全く違うものになります。
高分子物質の説明もしておきますね。
炭素を中心としたほとんどの有機化合物は分子からできていて、
炭素原子の重さ12を基準として比べた値が大きいものを高分子物質と言います。
たとえば水は18、砂糖は342で、たいていの有機化合物は500以下ですが、でんぷんやたんぱく質は天然の高分子物質です。
ゴムの定義とは? 天然ゴムと合成ゴム
ゴムの定義とは?
「ゴム用語辞典」なる書物があるそうで、
それによるゴムの定義とは「室温にてゴム弾性を有する高分子物質あるいはその材料(生ゴム)」とされています。
どういうわけか、ゴムの輸入関税は基本的に無税なので、税関ではさらに細かくゴムの定義が定められています。
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天然ゴムと合成ゴムの違い
天然ゴムと合成ゴムの違いは、原料と製造方法が異なることです。
天然ゴムはゴムの木から採る樹液で作りますが、合成ゴムは石油・ナフサから製造する化学工業品で、用途によって使い分けられています。
天然ゴムは特に優れた弾性をもっていて、爆発的に需要が伸びた時期もありましたが、
ゴムの木は限られた地域でしか育たず、また独占、寡占、政治、戦争などの要因で、制約の多い資源でした。
そうした問題を解決するために開発されたのが合成ゴムで、
研究が進んだ現在では、天然ゴムに迫る弾性を持つようになっていて、
天然ゴムの弱点である劣化しやすい、火や油に弱い、気候の影響を受けやすいといった点を克服しています。
さらに、合成ゴムに天然ゴムを配合して、互いの長所を併せ持つ製品も多く出回っています。
樹脂の定義とは? 天然樹脂と合成樹脂 プラスチックも樹脂の仲間?
樹脂とは、主に針葉樹から分泌される樹液が空気に触れて固まった「やに状」のもので、
これを天然樹脂と言い、石油を原料として作られた高分子化合物のうち、繊維とゴムを除いたものを合成樹脂と呼んでいます。
合成樹脂とはプラスチックのことです…ということで一般に通用していますが、
合成樹脂はプラスチックとエラストマーに区別される場合もあって、このあたりは曖昧なままになっています。
天然樹脂は水に溶けにくい半面、アルコールやテレビン油などの有機溶媒に溶けやすく、
揮発後は薄い膜となって残るため、塗料や充填剤(じゅうてんざい)として利用されています。
プラスチックは柔らかく元の形に戻りやすいという「可塑性(かそせい)」を持つ物質で、
金型などによる成形が容易なために、工業・医療分野、大量生産される日用品などに幅広く使用されています。
ゴム、樹脂とエラストマーの違いは?
エラストマーとは、ゴム弾性を持つ素材・材料のことで、
熱を加えても軟化しない「熱硬化性(ねつこうかせい)」と、熱すると軟化して冷やせばゴム状に戻る「熱可塑性(ねつかそせい)」があります。
ゴムはエラストマーの一種なので、ゴムとエラストマーの違いを考えた場合、
熱を加えて硬化するゴムは、熱硬化性エラストマーと同じ、熱可塑性エラストマーは異なることになります。
ではゴム(熱硬化性エラストマー)、樹脂、熱可塑性エラストマーの3つの違いをまとめてみます。
性質/ゴムと樹脂 | ゴム(熱硬化性エラストマー) | 樹脂 | 熱可塑性エラストマー | |
---|---|---|---|---|
弾性 | 有 | 無 | 有 | |
比重 | 大 | 大 | 小 | |
熱変化 | 固まる | 溶ける | 溶ける | |
成型 | 難 | 易 | 易 | |
再利用 | ✕ | ○ | ○ | |
コスト | 高 | 安 | 安 |
ゴムと樹脂の違いは「母と子」だった!(天然ゴムの場合)
樹木から分泌される天然樹脂は、松脂、漆、琥珀、べっ甲、ゼラチンなど多くの種類があって、その中のひとつがゴム(天然ゴム)なんですね。
ゴムと樹脂の違いを例えるなら、樹脂は大きな数字の「分母」、ゴム(天然ゴムの場合)は1という「分子」となります。
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