『ラード』は聞き慣れた言葉ですが、『背油』はどうなんでしょう。
これは『せあぶら』と読みます。ラーメン好きには必須のキーワードらしいんですけど…。
目次
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背油とラードの違いは?
背脂とラードの違いは生の脂身か加工した脂身かの違いです。
どちらも豚の脂なんですが、詳しくみていきましょう。
背油とは?
『背脂』とは、ラーメン用語で豚のロース肉の上側にある脂身です。
それだけのことなんですが、ラーメンに浮いているギラギラしたものも『背油』と言うようで、こちらのほうが一般に浸透しています。
ここではこのギラギラを背油として話を進めます。
ラードとは?
『ラード』とは、豚の脂肪組織から精製した食用油脂で、常温では白いクリーム状。融点は摂氏30~40度です。
あくまで豚の脂で、牛の脂はヘットと言います。
ついでに言うと、アメリカでは警察や警官をバカにしたスラングを『ラード』と言うそうです。どういう根拠なんだろう。
背油とラードの使い方は? ラーメンやチャーハンにはどっち?
背油はオレイン酸、リノール酸などを多く含んでいて、スープに溶けやすく、ラーメンには必須の材料ですね。
一方、ラードを使ったチャーハンはひと味違いますし、中華系の料理には欠かせません。
背油とラードの作り方や保存期間は?
背脂とラード、両方とも作り方は簡単です。
でも、豚の脂身を入手しないことには始まりませんが、スーパーやそのへんのお肉屋さんではたぶん売っていないので、
大きなお肉屋さんを探しましょう。これが一番大変かもしれません。
値段は100gで20~30円くらいなもので、1kgもあれば十分でしょう。
効率を考えて、5~6cmに切り分けます。厚さもないほうがいいですね。
ここまでは、背油とラードの作り方はどちらも一緒です。
背油の作り方と保存期間
ここから、前項の続きの背脂の作り方です。
鍋に入れたら弱火でなければいけません。やがて、だんだんとほぐれて小さくなってきますから、
2時間くらいをメドに火を止めます。これ以上、煮てしまうと全部液体になってしまうそうです。
あとはザルに入れて、おたまかなんかで細かくして濾(こ)せば背脂のできあがりです。
次に背脂の保存期間です。
背脂は日持ちしませんから常温では3日ももたないと思ってよいでしょう。
冷蔵庫で保存すれば長くて2ヶ月程度、それ以上もたせようとすれば、冷凍保存しないといけません。
菌が繁殖して(要するに腐って)食べられなくなるというよりかは、風味が損なわるため、
作ったら早めに食べるようにしましょう。
ラードの作り方と保存期間
ここから、前々項の続きのラードの作り方です。
その後は、鍋かフライパンに脂身と水を入れて中火にかけます。脂身が500gだったら、水は50mlくらいですね。
10分ほど経過するとアクが出るので取り除きます。
やがて肉の繊維がそぼろ状になって、脂と分離したら、こし器かザルで濾(こ)します。
さらにキッチンペーパーで濾した白い液体を冷蔵庫に入れて固まれば、これでラードのできあがりです。
問題はラードの保存期間で、諸説が入り混じっています。
これはチューブ入りや肉屋さんのおまけがどうのから始まって、「そもそもラードとは」なんて話に至るので、どれがいいのやら。
ここでの話は自家製ラードなので、不純物が完全に排除されているとは言えませんから、安全第一に1週間としましょう。
2週間目に使っても死ぬことはありませんが、たぶん風味は落ちています。
とにかく酸化させないことは大事です。冷凍もできますがやはり風味はガクンと落ちます。
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背油とラードは健康に悪い?
背油を食べると下痢になるのは本当?
まさか背油だけをぱくぱく食べる人はいないでしょうから、背油こってりのラーメンですね。
年齢や個人差によって、消化吸収能力に違いがあることが前提ですが、
脂肪を消化しきれないと腸壁が脂肪によって刺激されて、腸液分泌過多を起こして下痢になります。
ラードに健康被害はある?
ラードは動物性脂肪で、飽和脂肪酸を多く含んでいますから、
動脈硬化、心筋梗塞といった生活習慣病を引き起こします。また腸炎の人はより重症化します。
ラードは一方的に悪者扱いです。
ところが最近、そんなことはないという研究者も現れたので、あっちこっちにいい顔をしたい私は、その意見も紹介しておきますね。
今まではゴマ油やオリーブ油などの植物油に含まれるリノール酸がチヤホヤされていましたが、
糖尿病や動脈硬化の原因になるという指摘がされています。
これは農水省のHPにも載っているのでガセではないでしょう。
おまけに「コレステロール値が低すぎると脳卒中やガンになりやすい。
高齢者は植物油よりラードを摂取したほうがよい」と言う大学の先生もいます。
どっちにしても、食べすぎは健康被害を招きます……という日和見的結論でした。
背油とラードの違いは「加工前と加工後の名称」と言っていいでしょう
「背脂とラードの違いは加工前と加工後の名称」とは、
身も蓋もない結論ですが、これは背油をどう定義するかで変わります。
背油をギラギラと解釈するなら「ラーメン好きと中華好きの違い」と広く言えるのかもしれませんね。
もうひとつありました。
料理になった時、背油は見えますが、ラードは見えなくなります(う~ん、苦しい)。
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