はるか昔の子どものころ、お使いで薬局に行き、「トクホンください」って言うと、
おじさんに「何枚入り?」と聞かれるだけで、それで用は済んだものでした。
しかし今は、トクホンにしてもサロンパスにしても、従来の貼り薬タイプに加えて、
大判だったり、成分が違っていたり、塗るタイプや噴き付けるものまで多種多様に発売されていて何がなんだか。
トクホンとサロンパスと湿布の違いは端的に言うと、トクホンとサロンパスはプラスター剤という分類なのに対し、湿布はとハップ剤という分類です。
トクホンとサロンパスも湿布に含まれるという見解もあるのですが
湿布は「ある程度水分を含んだ布」といった意味(wikipedia参照)がありますので、
その特徴から言うとハップ剤ですので、このサイトでは『湿布=ハップ剤』として説明していきます。
では、それぞれ詳しい違いを見ていきましょう。
目次
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トクホンとサロンパスと湿布の違いは?
トクホンとサロンパスの違いはほとんどない!
効能書きから見るトクホンとサロンパスの違い
トクホン、サロンパスの効能、効果を知らない人はいないと思いますが、念のため、効能書きを見てみましょう。
・サロンパス
肩こり、腰痛、筋肉痛、筋肉疲労、打撲、ねんざ、関節痛、骨折痛、しもやけ
出典:https://www.amazon.co.jp
・トクホン
肩こり、腰痛、筋肉痛、筋肉疲労、関節痛、打撲、捻挫、骨折痛、しもやけ
出典:https://www.amazon.co.jp
見事に足並みがそろっています。
つまり、サロンパスとトクホンの違いはほとんどないと言って差し支えないでしょう。
しかし、しもやけに効くって初耳だし、骨折痛ってそんなお手軽な痛さとも思えませんが。
主成分はだいたい同じですが、配合は微妙に違っていて、ともに消炎鎮痛プラスター剤に分類され、
処方箋なしで買える第3類医薬品です。
トクホンとサロンパス 会社の歴史を紹介!
会社と効能とは関係ありませんが、トクホンは1933年に鈴木日本堂から、翌年には久光兄弟合名会社からサロンパスが発売されました。
トクホンという名前は江戸初期の「医聖」永田徳本から拝借した命名で、その後、社名を「トクホン」に変更、現在は大正製薬の完全子会社となっています。
一方、サロンパスのほうは「久光製薬」となりましたが、消炎鎮痛剤メーカーの両雄として、
トクホンとは長く競い合っていて、永遠のライバル(以前なら巨人と阪神のようにって形容したところですが…)といった間柄ですね。
それにしても息の長い商品と感心しますが、ロングセラーって意外とあるもので、
クスリに限っても太田胃散(1879)、今治水(1898)、正露丸(1904)、救心(1913)など、トクホンよりはるかに年月を重ねています。
サロンパスと湿布の違いは水分が含まれているかいないか
冒頭でも少し述べたように、サロンパスと湿布の違いは水分が含まれているかいないかです。
続きが気になりますね。さそっくみていきましょう。
サロンパスは一般的にプラスター剤という分類になります。
片や、湿布はパップ剤と「水分がある程度含まれている」という特徴が近いのでほぼハップ剤ですが、
湿布というともっと広いカテゴリを指すこともあるので注意しましょう。
・プラスター剤=サロンパスの分類
薄くて軽く、伸縮性や粘着性に富み、関節など曲げたり動かしたりする部位に向いていて、水分がないのでヒンヤリしません。
・パップ剤=湿布
水分を気化させて患部を冷やすので、 急な炎症に効果があり、かぶれにくいので皮膚への負担が少なく、あまり動かない背中や腰に向いています。
ですので、サロンパスと湿布の使い分けとしては、良く動かす部位にはサロンパスやトクホン、
急な炎症時や、あまり動かさない部位には湿布(パップ剤)と覚えておくと良いでしょう。
また、湿布(パップ剤)の方がかぶれにくいので、皮膚が弱い人は湿布にこだわってみてもいいですね。
ちなみには、ヒンヤリする冷感タイプに対し、トウガラシエキス配合の温感タイプも登場しています。
この温感タイプは通気性の確保が肝心で、うっかりその上から包帯でも巻こうものなら、しばらくすると患部がビリビリバリバリと強烈な痛みが走ります。
経験上、間違いなくそうなるので要注意ですよ。
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冷えピタと湿布の違いは冷やす用途かどうか!
出典:https://www.amazon.co.jp
冷えピタと湿布、どちらも水分が含まれていそうですが、違いが気になりますね。
(※ここでも『湿布=ハップ剤』としての説明です)
いわゆる 冷えピタの方は、冷やすことが得意なのに対し、 湿布は冷やすよりも炎症を抑える方が得意といった違い です。
冷えピタの他にも熱さまシートという商品もありますが、これらは冷感を得られる冷却ジェルシートがあって、
ジェルの水分が蒸発することで体表面温を下げる効果がありますが、薬用成分の配合はごくわずかです。
出典:https://www.amazon.co.jp
ですので、熱があって熱い、とにかく冷やしたいという用途のときは冷えピタの方が向いていますし、
炎症していて痛いという用途のときは薬用成分の多い湿布を使うと良いですね。
トクホンとサロンパスと湿布 気になるそれぞれの値段も紹介!
さて、お値段ですが、両製品ともに普通判(名刺サイズ)
トクホンは530円(40枚入り)、960円(80枚入り)
サロンパスが540円(40枚入り)、860円(80枚入り)
(※どちらも税抜 2018年10月時点のお値段です。)
となっていて、80枚買うならサロンパスに軍配。
今や、湿布薬(パップ剤)はいろんなメーカーから数多く出ていて、
値段もピンキリで、トクホンやサロンパスと比較するのは無理筋なんですが、あえてやってみました。
元祖サロンパス(プラスター剤)と同社から発売の「のびのびサロンシップS」(湿布(パップ剤))を比べると、もちろん元祖のほうが安いんですね。
実際の値段はどうかというと、「のびのびサロンシップS」は24枚入りが1300円、48枚入りが2600円(どちらも税別)。
結構いいお値段しますね。
出典:https://www.amazon.co.jp
そして、同じ枚数入りがないので、10枚換算をしたところ、のびのびは元祖の倍の値段になりましたが、
のびのびの面積は元祖サロンパスの4倍ありますから、面積換算ではのびのびは半額となるんですね。
モーラステープとサロンパスの違いは? 湿布(ハップ剤)のブランドあれこれ
モーラステープとサロンパスの違い
モーラステープとサロンパスの違いは、湿布とサロンパスの違いとほぼ一緒です。
なぜならモーラステープも湿布(パップ剤)の部類に入るからです。
(※詳しくは、この記事の「サロンパスと湿布の違いは水分が含まれているかいないか」の部分を見てください。)
では、湿布とモーラステープがどう違うかというと、モーラステープの方がより強力です。
ですので、湿布薬で症状が改善されない場合、より強力な『モーラステープ』や『モーラスパップ』という貼り薬を使うという選択肢があります。
ですが、人によっては光線過敏症(こうせんかびんしょう)という深刻な副作用を起こす場合もあるので注意が必要です。
また、妊婦さんは何のクスリでも医師に相談する必要がありますが、
ここまで強い湿布薬の使用なんてとんでもないことで、絶対にアカン!
どちらも同じ成分ですが、『テープ』と言ってもぐるぐる巻くのではなくて、普通の湿布薬と形状です。
湿布(パップ剤)のブランドあれこれ
有名どころでは、久光製薬『フェイタス』、第一三共ヘルスケア『パテックス』、
興和新薬『バンテリンコーワ』、ライオン『ハリックス55』でしょうか、
それぞれ2類、3類、それに冷感、温感とバリエーションに富んでいます。
サロンパスとら・サロンパスの違いは臭い! 他にも多彩なラインナップ!
『サロンパス』と『ら・サロンパス』の違いは、『ら・サロンパス』の方は臭いを抑えた微香性(びこうせい)なんです。
人と会うときに貼り薬の臭いが気になる方は、『ら・サロンパス』の方がいいですね。
出典:https://www.amazon.co.jp
サロンパスの久光製薬は、消炎鎮痛薬を主力商品としているせいもあって、元祖サロンパスの他に、
皮膚刺激を抑えビタミンE配合の『Ae』、先ほどの気になる臭いを抑えた微香性の『ら・サロンパス』、
より効果の強い第2類医薬品の『EX』シリーズなどを発売しています。
これらの貼るタイプの他にも、必要な大きさで貼れる『ロール』、さっと塗る『ローション』、
スプレータイプの『エアサロンパス』と見事なラインナップになっています。
これに対しトクホンも同様に、臭いを抑えて肌にやさしい『エース』、塗る『チール』、
スプレーの『ダッシュエアロ』と並んでいます。
トクホンとサロンパスのラインナップの違いに注目してみましたが、にぎやかさではサロンパス優勢です。
トクホンとサロンパスと湿布、状況によって使い分けよう!
打撲や捻挫などのケガの直後は、炎症の熱と痛みを取り除くため、冷感タイプが適していて、
その後、温シップで患部の体温を上昇させ、血行を促すようにします。
あとは貼る部位によって、「良く動かす部位にはサロンパスやトクホンなどのプラスター剤」、
「あまり動かさない部位にはモーラステープなどの湿布(パップ剤)」と使い分けることです。
1日5枚以上のプラスター剤使用は胃潰瘍の副作用の例もあるそうですから気をつけましょう。
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