検事と弁護士の役割の違いは、わかりやすい例で言えば、犯罪を間にした攻防でしょうか。すぐにドラマの場面が浮かんできますね。

検事は、主に刑事事件にかかわり、警察から送致された事件を検証し、被疑者を起訴した場合は公判に臨むことになりますが、

時には検察独自の捜査を行うこともあります。また、法廷には立たず、法務省で司法行政を担う検事もいます。

弁護士は、ドラマの影響か、刑事事件で被告人の弁護をすると考えてしまいますが、

実際には弁護士の多くは民事裁判の係争や和解交渉に携わっています。

そのほか、経済活動の複雑化、国際化に伴い、企業や組織の顧問弁護士、社内弁護士が増えています。

このように検事弁護士役割が違いますが、法を守り、法の中で活動するという一点で両者は一致した存在です。

失礼を承知で、ちょっと斜めから、今日のテーマを考えてみたいと思います。

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検事と弁護士の違いは? どっちが偉い?

検事と弁護士の違いは? どっちが偉い? 裁判官との違いも解説!

検事と弁護士の違いは?

検事弁護士裁判官をまとめて法曹三者と言います。

司法試験に合格し、その後、1年間の司法修習に入るまでは、この三者に区別はなくて、全員が司法修習生と呼ばれます。

この司法修習に臨む際、書類や面接で希望を申告できますが、

司法試験の成績、修習中の成績や態度などで、思うようにならないこともあります…というより、

裁判官、検事を希望した場合は、ほとんど希望通りにならないようです。

つまり、競争率が高いんですね。

とにかく、晴れて司法修習を終えた時には、検事、弁護士、裁判官というそれぞれの道が決まっています。

検事と弁護士はどちらが偉い?

さて、検事と弁護士、どちらが偉いかということですが、

公式見解として「職業に身分の高いや低いがない以上、どちらが偉いかなどの比較は意味がない」と、そうお断りしておきたいと思いますね。

しかし、どちらが「偉そう」か、という点はハッキリしています。

間違いなく、これは「検事」さんの方ですね。

なにせ、悪を摘発する正義の味方です。

それに「お客さん」は勝手に転がり込んでくるので、ペコペコと営業する必要がありません。

弁護士と裁判官との違いも解説!

それに対し弁護士はというと、新司法制度以降、商売敵の数が増え、今やワーキングプアとも呼べそうな低所得弁護士も多いとか。

一部の高名な弁護士先生はともかく、社会的ステータスは下落一方で、なにやら弁護士がお縄になったというニュースも珍しくありません。

しかし、「偉そう」という点ではさすがのコワモテ検事も、天に代わってお仕置きをする裁判官には敵いませんね。

裁判を見れば(と言っても実際に見学した人はそうはいないでしょうが)検事が何を言おうと、

裁判長の「却下します」のひと言で引き下がるしかありません。

検事と検察官との違いは?

検察庁は、「偉い」順に並べると、検事総長、次長検事、検事長、検事、副検事となっていて、

この人たちのすべてが検察官で、「検事」というのは役職名のひとつに過ぎません。

管理職と課長の関係と同じだと言えるでしょうか。

ですから「検事をていねいに言うと検察官」は誤りですが、一般人にとってはどうでもよさそうな話ではあります。

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検事と弁護士の給料や年収は?

検事は国家公務員なので「検察官の俸給等に関する法律」によって給料は決まっていて、

昇進試験を受けて等級が上がれば給料も上がる仕組みです。

2017年の初任給(等級20号)は22万7000円で、検事最上級の1号になると月額121万1000円です。

ちなみに一番偉い検事総長の月給は151万2000円、検事の平均年収は613万円、30歳近くになるとボーナスは100万を超えるようですね。

しかし、検察官に残業手当はありません。

 

次に弁護士ですが、これは法曹資格を持っていると言っても民間人ですから、

弁護士事務所に勤めているなら実力に見合った規定の給料、個人営業なら出来高次第の青天井、

または食うのがやっと、といった具合で天と地ほどの差があります。

30歳の平均年収は約800万という数字もありますが、平均というのはクセモノで、一部の経済系の高給弁護士が押し上げた数字のようです。

 

ついでに裁判官ですが、これも検事同様「裁判官の報酬等に関する法律」で決まっていて、

検察官以上の階級社会なので、判事○号、判事補○号、簡裁判事○号というように、それぞれの等級に依っています。

初任給は検事と同じですが、トップの最高裁長官は三権分立の司法の長ですから、総理大臣と同じ月給200万ちょいをもらっています。

ここでも、みなし労働時間制で残業代はありません。

検事と弁護士 資格を取るにはどちらが難しい?

資格は法曹三者共通の司法試験で、これを法曹一元と言い、この段階では検事、弁護士という資格の区別はありません。

本人の希望とは別に、司法修習中の成績や適性を監督者が見ていて、

成績のいい者から順に、裁判官、検事の順でスカウトされるので、弁護士よりは検事になるほうが難しいと言えますが、

あくまで資格は法曹一元なので、検事限定の資格なんてありません。

検事から弁護士に転職するのはなぜ? 仲は悪い?

検事から弁護士に転職するのはなぜ?

定年後、あるいは若いうちに検事から転身した弁護士を「ヤメ検」と言います。

動機は出世街道から外れた、金もうけがしたい、転勤はもうイヤだなんて、人それぞれですね。

ヤメ検は検察の手の内を熟知しているとか、裁判の担当検事が後輩であるといった利点もあり、

検事正(地方検察庁のトップ)クラスの大物になると注目される大事件でよく名前が出てきます。

職業選択の自由とは言っても、なにかアンフェアな気がして釈然としませんね。

また、裁判官からの転身は「ヤメ判」と言うそうですが、公平中立の裁判官気質が抜けないのか、もうひとつ融通が利かないようです。

弁護士と検事の仲は悪い?

対立の不可避な関係なので、組織としては仲がいいはずもありませんが、

個人としては同窓生や先輩後輩の関係もあって、憎み合っているわけではありませんし、仲良しがいても不思議じゃありませんね。

でも、そこは法律家同士、付き合い方もわきまえているでしょう。

司法修習生から見た裁判官、検事、弁護士という職業

裁判官、検事、弁護士という職業が、司法修習生の目にはどう見えているのか

知り合いの弁護士に聞いてみました(昔のことなので、代わりに今の修習生に聞いた回答かもしれませんが)。

裁判官自分の判断が優先されることに誇りを感じられるのが魅力という人が一番多く、難は3年で転勤があることだそうです。

検事社会の不正は許さない、いわゆる「悪と闘う」ことが魅力という回答でしたが、なんだか青臭くて、幼い印象も。

ここでも2年での転勤は嫌がられていました。

弁護士の魅力は、時間面でかなり自由が利くことと、仕事のやり方も自分なりの工夫が活かされるとしていますが、

個人事業主なので自分の商売の才覚に不安を感じるとのことでした。

三者に共通するのは、基本的には人の不幸を扱うことが多く、人の役に立てる喜びがある半面、責任も大きいわけで、

それを背負う器が自分にあるのかという葛藤もあったそうです。

バッジに見る検事と弁護士の理念

※左から、検察官(検事)、裁判官、弁護士のバッジです。

日本の検察官が着けるバッジは、旭日と菊の花弁と葉をあしらったもので、

四方八方に広がる霜と日差しのように見えるため「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)」と呼ばれ、

検事には「霜の如き厳格さばかりではなく、日差しのような暖かさも必要である」との意味が込められていると言われています。

 

一方の弁護士バッジは、ひまわりをモチーフに、中央に天秤が描かれています。

ひまわりは太陽に向かって力強く咲くことから「自由と正義」を、天秤は同じ重さを測ることから「公正と平等」を表し、人権の大切さを謳っています。

 

やっぱり裁判官のバッジも気になりますよね。

これは三種の神器である八咫(やた)の鏡を形取り、中心に「裁」の1文字で、鏡は真実を映し出すという裁判を象徴したものです。

しかし、このバッジは裁判所職員の全員が着けています。

裁判官は外での仕事はほとんどなく、法廷では黒い法服をまとっているので、ことさら裁判官の身分をひけらかす必要もないのでしょう。

ちなみに法服が黒いのは、黒は他の色に染まることがないからだそうです。

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